2009年6月アーカイブ

賃借人が安全、安心して居住できるために盗難、火災などの災害に遭わないように配慮するこ
とも管理義務の内容に含まれていると考えられますが、具体的に賃貸人がどの程度・範囲の管
理義務を負っているかについては、マンション等賃貸物件の規模や賃料、賃借目的などの契約
内容、防犯についての賃貸借契約上の特約などにより異なってきます。

貸室の防犯について特段の合意がないこと、契約上盗難による損害は賃貸人の免責の対象とさ
れていること、賃貸事務所入口の扉はダブルロックであり一応の防犯効果が期待できたこと、
賃貸人は近隣で窃盗事件が多発していることを認識し、順次その賃貸ビルに機械警備を導入し
ている最中であったこと、賃貸人は本件盗難以前には本件ビルにおける窃盗被害がピッキング
の被害によるものであったか否かを知らず、特にピッキングの被害について警察からの指導、
報告もなかったこと、賃借人も賃貸人に対してカギの交換を求めたことはなかったこと等の事
情を認定し、賃貸人が既存のカギを維持管理すること以上に、ピッキング被害防止対策を講じ、
あるいは窃盗被害を報告すべき義務を負っていたということはできなぃとして、債務不履行責
任を否定しています。

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